Kimura, S., R. Kimura and K. Ikejima. 2008. Revision of the genus Nuchequula with descriptions of the three new species (Perciformes: Leiognathidae). Ichthyological Research 55(1): 22-42.
I. 奨励賞候補の選考について
奨励賞には5名の応募があった.5名の委員により研究の斬新さ,専門分野の研究進展へのインパクト,国際誌への掲載論文数,将来性,過去の応募歴等を基準にして評価し,各委員から2名ずつを推薦し,推薦された候補者についてさらに全体で論議した.この結果,上記馬渕浩司氏が奨励賞候補として最も適していることが,委員全員の一致で決定された.
II. 論文賞候補の選考について
論文賞には自薦,他薦,編集委員会推薦を併せて9編の応募があった.これらの論文について,研究方法や内容の斬新性,完成度,魚類学への貢献などを基準に評価を行なった.まず,各委員から数編ずつを推薦し,ノミネートされた論文について評価を行なった.その結果,上記の2編の論文が論文賞候補として最適であると,委員全員の一致で決定された.以下に,各論文が高く評価された理由を記す.
Kimura S, R. Kimura and K. Ikejima. 2008. Revision of the genus Nuchequula with descriptions of the three new species (Perciformes:Leiognathidae). Ichthyological Research 55(1): 22-42.
本論文は,インド洋,西太平洋に広く分布するヒイラギ科Nuchequula属6種について,形態学的研究に基づき分類学的再検討を行ない,3新種を記載した.日本から東南アジアにかけて広く分布するヒイラギ属の分類学的再検討と新種記載により学名を付した意義は大きく,これら魚類の生態学的研究への波及効果も期待できるものとして評価され,論文賞候補に相応しい論文であるとして選考された.