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開催日時:2023年6月3日(土) 13:00-17:15開催場所:オンライン開催(Zoomウェビナーを利用)※視聴にはインターネットを使用できる環境が必要です
参加費:無料,事前申し込み必要主催:日本魚類学会コンビーナー:金尾滋史(滋賀県立琵琶湖博物館)・中島 淳(福岡県保健環境研究所)・細谷和海(近畿大学)
  魚類の採集と飼育は,多くの教育的要素を有すると同時に,文化であり,研究や保全の意識を芽生えさせる礎であるともいえる.このような体験を基に,様々な知的好奇心を抱く姿は魚類学会の会員にとっても研究の原石であろう.<プログラム>1990年代頃から観賞魚として日本産淡水魚の飼育も広がるようになり,生体が全国に流通するようになった.当時はペットショップなどでの実店舗販売が多かったが,その後はインターネットの普及とともにオンライン売買が増え,流通量も激増した.
 そのような中で,希少種をはじめとする淡水魚販売を目的とした過剰な採集の問題,それらの投棄・放流に伴う在来の生物多様性への悪影響,法令の違反など,様々な課題が生じてきたのも事実である.このような状況を背景として,国際的にはワシントン条約が,そして国内では種の保存法をはじめとして,都道府県においても様々な条例が施行されるようになり,特に国内の希少となった淡水魚の採集や流通の規制が行われるようになった.また,レッドリスト掲載種の出品禁止を決めたインターネット販売サイトもある.
 本公開講座では,観賞魚としての日本産淡水魚の状況を整理し,様々な立場の演者を迎えての話題提供に基づき,適正な採集や飼育・販売とは何か,淡水魚の採集・飼育の趣味は今後どういう方向に進んでいくべきか,といった点について,生物多様性保全の観点から議論していく.
 
13:00開会挨拶瀬能 宏(日本魚類学会長,神奈川県立生命の星・地球博物館)
 第一部: 淡水魚の採集と飼育,流通の現状とは?
13:10-13:35講演1:淡水魚類の飼育と流通,その功罪中島 淳(福岡県保健環境研究所)
13:35-14:00講演2:日本産淡水魚への一般の関心と情報発信山口正吾(月刊アクアライフ編集部)
14:00-14:25講演3:インターネットオークションで取引される希少淡水魚高久宏佑(自然環境研究センター)
14:25-14:35休憩14:35-15:00講演4:養殖を以て乱獲を制す中村陽一(埼玉県養殖漁業協同組合)
15:00-15:25講演5:種の保存法に基づく淡水魚類の保全のあり方について環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
15:25-15:50講演6:希少淡水魚を飼育する水族館や博物館の責務と展望,課題金尾滋史(滋賀県立琵琶湖博物館)
15:50-16:00休憩 16:00-17:10 第二部:パネルディスカッション 観賞魚としての日本産淡水魚のこれから
・コーディネーター:金尾滋史(滋賀県立琵琶湖博物館)・細谷和海(近畿大学)・パネリスト:中島 淳(福岡県保健環境研究所)山口正吾(月刊アクアライフ編集部)
 高久宏佑(自然環境研究センター)
 環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
 中村陽一(埼玉県養殖漁業協同組合)
・コメンテーター:小坪 遊(朝日新聞社)17:10-17:15総括コメント・閉会挨拶森 誠一(日本魚類学会自然保護委員長・岐阜協立大学)
 【問い合わせ先】金尾滋史(日本魚類学会自然保護委員会)〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091 滋賀県立琵琶湖博物館
 E-mail: kanao-shigefumi[at]biwahaku.jp([at]を@に変更してください。)
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